「悲しき熱帯 Cassava Study #2」のラベルを貼った第二弾のビールボトル

悲しき熱帯

Tristes Tropiques

ー Cassava Study #2 -

OBEER KYOTO × MAISHA

CASSAVA STUDY #02

ひとつの作物から、
その土地の暮らしを見る。

京都で育てたキャッサバを、アフリカや南米でみられる乳酸発酵の知恵に学び、ビールへ。第二弾では、素材を使うだけでなく、その背景にある食文化まで一緒に届けることを目指しました。

ABOUT CASSAVA

キャッサバを、
知る。

A root that carries
many ways of living.

キャッサバは、熱帯地域、とくにアフリカや中南米で広く育てられてきた、でんぷん質の根を食べる作物です。

乾燥に比較的強く、さまざまな土地で育ちやすいことから、多くの地域で人びとの日々を支える主食になっています。一方で、食べるためには品種や状態に応じた適切な加工が必要です。

FOOD & LIFE

発酵は、
暮らしの知恵。

アフリカでは今も、栽培上の利点などさまざまな理由から、青酸配糖体の多い品種を育てる地域があります。

その芋を食べるために行われてきたのが「毒抜き加工」です。方法のひとつが、芋を水に数日間漬けて乳酸発酵させること。水に漬けるという長年の経験から生まれた技術は、毒性を減らすだけでなく、保存性を高め、固有の風味をつくる方法でもあります。

安全に食べるための知恵が、
保存とおいしさを生む文化になった。

主食として、保存食として、キャッサバは土地ごとの暮らしに合わせて姿を変えます。発酵させ、粉にし、練り、焼き、蒸す。食べ方の数だけ、環境に向き合ってきた時間があります。

GROWN IN KYOTO

熱帯の作物を、
京都で育てる。

気候も、土も、季節のリズムも違う場所で、キャッサバと向き合う。

春に芽吹きを待ち、夏の光で葉を広げ、秋に根を収穫する。京都の冬は、熱帯生まれのキャッサバにとって大きな壁です。栽培を通して、作物が生まれた土地と京都の違いを、身体で学んでいます。

京都の山際で育つキャッサバ畑
01 CASSAVA FIELD / KYOTO
京都の畑で収穫し、土の上に並べたキャッサバの根
02 HARVEST / KYOTO

FROM A TROPICAL ROOT
TO A KYOTO HARVEST.

根を掘り上げた瞬間、遠い土地の作物が、確かにこの土地で育ったことを実感します。その収穫を、次のStudyへつなぎます。

OBEER KYOTO × MAISHA

Study #01 から、
Study #02 へ。

HOW THE STUDY BEGAN

偶然が重なって、
このビールが生まれた。

京都でキャッサバを育て始めたこと。アフリカの食文化を日本で伝える方法を探していたこと。そこに、クラフトビールづくりに向き合うOBEERとの出会いが重なりました。

あらかじめ完成形を決めて始まったプロジェクトではありません。人との出会い、会話、収穫のタイミング、醸造への好奇心。別々に動いていた出来事が少しずつつながり、キャッサバビールという一杯になりました。

第一弾は、その偶然をかたちにした最初のStudy。そして、そこで得た声が第二弾へつながっています。

Cassava Study #01のラベルを貼った3本のビール
FIRST BREW / CASSAVA STUDY #01
01

茹でたキャッサバを、
素材として試す。

第一弾では、茹でた冷凍キャッサバをつぶして使用しました。キャッサバをビールに仕込む最初の試みとして、素材の可能性を探ったStudyです。

FEEDBACK→

「風味の輪郭を、
よりはっきりさせた方が良い」

「悲しき熱帯 Cassava Study #2」のラベルを貼った第二弾のビールボトル
SECOND BREW / CASSAVA STUDY #02
02

乳酸発酵で、
キャッサバの輪郭を出す。

第二弾は、Study #01に寄せられたフィードバックへの回答です。乳酸発酵させたキャッサバを煮沸工程に加えて仕込み、キャッサバ由来のフレーバーとコクを引き出しました。

FROM HARVEST TO LACTIC FERMENTATION

キャッサバの仕込み方法
ー 乳酸発酵するまで

  1. 01
    京都の畑でキャッサバを掘り上げて収穫する様子

    収穫

    京都の畑で、育った根を掘り上げます。

  2. 02
    皮をむいて洗浄したキャッサバ

    皮むき・洗浄

    外皮を取り除き、表面の汚れを落としてよく洗います。

  3. 03
    皮をむいたキャッサバを水に漬けた直後の様子

    水に漬ける

    皮をむいて洗ったキャッサバを、たっぷりの水に浸します。

  4. 04
    水に漬けて2日目、泡が出始めたキャッサバ

    水に漬けて2日目

    表面に泡が現れ、乳酸発酵が少しずつ進みます。

  5. 05
    水に漬けて3.5日目、発酵が進んだキャッサバ

    水に漬けて3.5日目

    水が濁り、香りや酸味が生まれた状態で仕込みへ進みます。

KIVUNDEキヴンデ

タンザニアでは、このように水に浸けて発酵させたキャッサバを「kivunde(キヴンデ)」と呼びます。

乳酸発酵によって生まれる香りや酸味は、単なる下処理の副産物ではありません。安全に食べる知恵と、食べものを長く保ち、味わいをつくる技術が、ひとつの工程に重なっています。

※これはCassava Study #2の仕込み工程を紹介するものです。必要な加工条件は品種・大きさ・状態などで異なり、家庭で一律に再現するためのレシピではありません。

WHAT WE WANT TO SHARE

このビールを通して、
伝えたいこと。

01 / FERMENTATION & PLACE

発酵食から、
その土地を知る。

日本には、豊かな自然と四季のなかから生まれた発酵食品が数多くあります。そして海外にも、それぞれの環境に根ざした発酵食があります。

その一つひとつに、土地の気候や作物、保存の必要性から生まれた知恵と技術が詰まっています。食をたどれば、文化だけでなく、そこで人びとがどのように環境と向き合い、暮らしてきたのかが見えてきます。

02 / LIVING TOGETHER

違いの向こうにある、
同じ毎日。

私が暮らし、見てきたアフリカ、とくにタンザニアは、同じ国内でも地域によって環境が大きく異なり、多様な人びとが暮らしています。

「アフリカ」と聞くと、マサイのイメージや、私たちとは違う価値観を持つ人びとを思い浮かべるかもしれません。しかし実際に暮らしの内側へ入ると、そこにいるのは、家族を思い、悩み、笑い、各々の環境で今日を懸命に生きる人たちです。

どんな時でも支え合い、
状況を受け入れ、
笑いながら人生を前へ進めていく。

03 / STRENGTH TO LIVE

数年で、理解したとは
言えないけれど。

生と死が日本よりも身近に感じられる場面があり、環境が時に苛酷な状況へ変わることもあります。政策や社会の変化によって、暮らす環境を変えざるを得ないこともある。妬みやひがみといった、人間らしい感情もあります。

それでも、つらい時やお金がない時にも、外では楽しそうに笑い、周りと支え合いながら前へ進んでいく。その姿を数年見ただけで理解した気にはなれません。それでも、今の日本で少し見失いかけているように感じる、彼ら・彼女らの力強さを伝えたいと思いました。

04 / POSSIBILITIES OF CASSAVA

さまざまな可能性を、
キャッサバから。

アフリカでは主食として暮らしを支え、日本ではでんぷんがさまざまに利用されているキャッサバ。その二面性を持つ作物だからこそ、土地と土地、人と人の間に、新しい視点を生み出せると考えています。

耕作放棄地の活用や、外国にルーツを持つ人びととの新しい協働を考えるうえでも、キャッサバには可能性があります。

このキャッサバビールが、教科書だけでは見えにくい熱帯地域の暮らしや食を知る、ひとつのきっかけになれば幸いです。

CASSAVA STUDY CONTINUES

食べることから、
世界の見方をひらく。

栽培、発酵、醸造。その過程を重ねながら、キャッサバの可能性を探り続けます。

MAISHA WEBSITE